Note

なぜ「事実」ではなく「ファクト」なのか



コンサル一年目が学ぶこと」という本を読んでいる。
「03 数字というファクトで語る」という節、なぜ「ファクト」という言葉を使っているのだろうか。

この節では「ファクト」という単語が最初から何度も出てくる。
そして、文章の途中で「ファクト」についての説明の一文が入る。

ファクトとは、事実のこと。


「ファクト」を知らない読者の場合、この説明文が出てくるまで「ファクトとは何なのか」という疑問を抱いたまま読み進めるしかない。
そもそも、「ファクト」と言わず「事実」と表現すればいいのではないか。

「04 数字とロジックで語る」の最後にあるまとめの文を見てみる。

社員全員が同じバックグラウンドをもっているという前提は、
一般のドメスティックな職場でも、もはや通用しない。
全員が納得のいくローコンテクストなルールや基準だけを掲げて、
論理と数字でコミュニケーションをする。
トーク・ストレートで端的に率直に、結論から話す。


横文字が多すぎる。

「トーク・ストレート」はこの文の前に説明がされているので一旦置いておく。
「ルール」や「コミュニケーション」は読者のほとんどが理解できる単語なので、これも一旦置いておく。

ここで疑問なのが、なぜ「背景」ではなく「バックグラウンド」なのか、「ローコンテクスト」とは何なのか、ということだ。

「06 相手に理解してもらえるように話す」では、「相手の理解度を推し量りながら話すことが大事」と書かれている。これは文章を書く時にも同じことが言える。
つまり著書は、読者は「ファクト」や「ローコンテクスト」を理解できるという前提のはず。

「07 相手のフォーマットに合わせる」では、「徹底的に相手の土俵に合わせた形で、伝える」と書かれている。
つまり、著書が見えている土俵は「ファクト」や「ローコンテクスト」が共通認識な土俵のはず。

ただ、タイトルにあるように読者はコンサル 1 年目の、社会人の中でもかなり若手(新人)を対象にしていると考えられる。
そんな読者たちは本当に「ファクト」に聞き馴染みがあるのだろうか。